こだわりの商品を作る物語 すてきなお店の物語

Roaster’s Coffee 焙煎屋

まだ福岡でもコーヒーの焙煎専門店が珍しかった時代からのお店を継いだ 平山謙吉さんの物語

Roaster’s Coffee 焙煎屋は、平山 謙吉さんの父・悟さんが1988年に開いたお店です。
喫茶店ではなく、焙煎した豆を売る専門店は、今でこそ沢山ある福岡市でも、とても珍しい存在でした。
謙吉さんは、小さい頃から店のお手伝いをし、高校の時はバイトとして働いていたそうですが
コーヒーに囲まれ、コーヒーを沢山飲み、コーヒーが大好きだから‥‥という理由は特にありませんでした。

平山 謙吉さん:
「手伝いは楽しいと思ってました。高校の時は小遣い稼ぎです(笑)
コーヒーはあんまり飲ませてもらってなかったので。
コーヒーを好きになったのは、(外の)カフェのバイトがきっかけですね。」

焙煎屋(悟さん)の豆をバイト先のカフェでも使用していたそうです。
コーヒーを抽出するようになり、『ウチの豆、手間がかかってるなぁ』と、改て気づきました。

「夜、知合いの美容室でコーヒーを淹れるイベントとかしてまして。
そうしてるうちに、焙煎の重要さがわかってきて‥。」

父・悟さんに、「焙煎屋で働きたい。」と伝えると、悟さんの方も人手が欲しくて謙吉さんに声をかけようと思っていたそうです。
現在、警固店は悟さん、平尾店は謙吉さんという風に2店舗を親子で経営しています。

「平尾店と警固店で焙煎機も違うので、商品や銘柄によって分担して焙煎をし、毎日両店舗を往復してコーヒー豆をやり取りし、全く同じ鮮度で商品を並べています。」

コーヒーを淹れる上で大事だと思った「焙煎(ロースト)」という過程。
謙吉さんは、まず焙煎するイメージを描いてから焙煎するそうです。

「ハンドピック(豆の選別)をしてる時に、豆の形だったり水分の感じを見ながら、焙煎のイメージを膨らませています。
(焙煎の)イメージがないと、やっぱり出来上がりが、たまたまにしかならないっていうか‥‥
まず、そのコーヒーのどの部分を飲んでもらいたいか明確にしていく必要があります。
そこと実際出来たものとを照らし合わせることで『あ、やっぱこうしよう』という改善点がスムーズに出てくるんです。」

常に焙煎のプロセスを刷新してくのが大事。と、謙吉さんは考えています。
そんな謙吉さんが考えるコーヒーの美味しいポイントとは?

「クリアな甘さ。
まずハンドピックで純度をより高めますが、さらにローストがうまくいかないとキレイに出てくれません。」

コーヒー豆の専門店として、謙吉さんがうれしい瞬間というのはどんな時ですか?

「やっぱり(お客さまに)喜んでもらえた時ですよね。
うちの豆を買ったお客さんが『美味しかった』って言ってくださるのも、もちろんですけど。
(言わなかったとしても)繰り返し来てもらえるっていうのが、すごいことだな〜って。
毎週来てくれる人とかいるんですよね。
うちが大事にしている鮮度を、わかってくださってて、ちょっとずつ買いだめせず、毎週買いにきてくださる。」

毎週通うお店であることを、ずっとやってきた悟さんに対してのリスペクト。
通っていただくお客さまへの感謝。
そして、それを続けていくために、謙吉さんは守るべきモノを守りながら、常により良い方向を目指しています。

無糖アイスコーヒー「COOL SPLASH」

悟さんが20年前に作ったアイスコーヒーは、焙煎屋さんでしか買えない人気商品でした。
謙吉さんが、リニューアルして卸し販売も手がけています。

「20年ぐらい前って、スーパーで買えるようなモノしかなかったんです。
本当はコーヒー豆を買って欲しいってのはあったけど、
『アイスコーヒーを飲むならこれを試してください』っていうのが、父が最初(アイスコーヒー)を作ったきっかけです。」

そのアイスコーヒーが、じわじわと人気がでて、謙吉さんが入社してからは、謙吉さんがアイスコーヒー用の焙煎を任されていました。
最初は、父・悟さんのレシピ通りに。
そこから少しずつ、劇的に味が変わったとならないようにアレンジしていきました。
『こうしてみたんだけど』と、悟さんに相談しながら。

「いわゆるイタリアンローストのブレンドでやっいたアイスコーヒーを、もう少し口当たりとか香りとか甘さとか…
柔らかい甘さがちゃんと感じられるような焙煎とブレンドにしたんです。
アイスコーヒーを好んで飲まれる方にとって、濃さが大事だな〜と思うので、ローストの強めのモノからでる濃さを大事に。
でも、更にコーヒーの素材の美味しい部分を詰め込みたかった。」

そこまでありがたがらずに、日常でゴクゴク飲んでもらえるように値段や容量も工夫しています。
容器も紙パック。
ですが、容器の紙の匂いを感じてしまう謙吉さんは焙煎の具合で、その匂いを感じさせないようにしたそうです。

「温度とかでもコーヒーの味が変わるのと同じで、割とこう、シャープな方が紙(の匂い)を僕が感じちゃうんです。
5種類の豆を焙煎して、ブレンドして、紙を感じないよう色んなロースト具合を試して。
で、やっとこう納得いくのが出来上がって、外にも出していきたいと。」


かつての「COOL SPLASH」のラベル。

20年前に誕生した時から、商品名も「COOL SPLASH」でした。

「僕もなんですけど、父が元々レゲエが大好きで。
今でいう『フェス』みたいな‥そういう世界では、『サンスプラッシュ』とか‥結構使われてたんです。
(パッケージも)僕が『変えたい』って言って。
『なんで?』って言われて…(笑)」

パッケージの独特なイラストも、プロのイラストレーターではなく、謙吉さんの中にあるイメージを描いてくれる方を、デザインを頼んだ方が紹介してくれたそうです。

「今回は、僕の中にイメージがすごくあったんで。
タッチはいろんなものを描いてもらったんですけど、とにかく、少しふざけた部分を入れたかったんで(笑)
最初はスマートな紳士だったんですが、ちょっとカッコ良すぎたんで(笑)
シュッとしてるのは(うちのイメージと)違うよね。って。」

照れながら、言葉一つ一つを丁寧に話してくださる謙吉さん。
目の前のお客さまを大切に。
まだ見ぬお客さまに届くように。
毎日、毎日、より美味しいコーヒーを研究し、焙煎を続けています。
「遺伝」という父譲りの性格と、職人気質である父・悟さんとはまた違う視点で「焙煎屋」をゆっくり、実直に受継いでいました。


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焙煎屋さんのアイスコーヒー入荷しました。


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チクチック

地域・地方の魅力は、そこで暮らし営む「ひと」の魅力だと思います。
その魅力は日本中、世界中にありますが、まずは自分たちが暮らす福岡県ちくご地方に目を向けました。
そして、市町村単位ではなく、自分たちが日常的に気軽に行動できる、例えば車で1~2時間で移動出来るような、もっと感覚的に大きなエリア。
「自分の地元」と言えるようなエリアを自らの足を使って取材する形で発信しています。

地域の読みものとしてのWEBマガジン「チクチック」を担当している
オガワが取材に行ったり、イベントで見たり、お店で聞いたことを記事として書き留めてます。