「色んな農作物の豊富な みやま市の新しいお土産を作りたい。」
そんな想いが、特産品のセロリを初め、地元の香味野菜の美味しさを存分に活かした「セロリズッペン」を生みだしました。
長野県、静岡県に次ぐ日本三大セロリの生産地
日本で3番目に多いセロリの生産地である福岡県ですが、その生産量のほとんどがここ瀬高(現・みやま市)で作られています。
西日本一の生産量のセロリは、わずか24軒の若い農家さん達によるもの。
森弘子さん:
「セロリ農家の世代交代がちゃんと出来ていることは、瀬高の誇りなんです。」
日本全体のセロリの需要は変わらないのに、セロリの生産は落ちてるそうです。
それは、他県では生産者の高齢化が進み、後継者不足という問題を深刻に抱えているから。
そんな中、瀬高のセロリ農家さんの平均年齢は42歳。後を継いだ30代の人が主流でやっているのです。
セロリは粘土質の土を嫌います。瀬高町は砂質土で水はけの良いセロリに適した土でした。
そして、もう1つ農作物にとって大事な水。
セロリはそのほとんどが水分で出来ています。
ということは、水の質がセロリの味にも影響を大きく与えるのです。
森さん:
「瀬高は矢部川が近く良い水が昔から豊富なんです。
みやま市になる前は『瀬高の水は福岡一安くて美味しい』って言われてたほど。
だから、その水で育てられた瀬高の作物は美味しいんですよ。」
瀬高町では、セロリを1年に2回収穫します。
種を準備してから収穫にいたるまでに約5ヶ月ほどもかかる手間のかかる野菜です。
「普通は2回けど、3回収穫する(生産技術の)上手い人もいる。11月、2月、5月。」
セロリ畑を取材させてもらった4月あたま、気温が20度を超える日が続いていました。
晴れでも雨でも、暖かくても寒くても、急な天候の変化は農家さんたちを慌てさせます。
「冬と春の雨は違う。菜種梅雨(春の長雨)が一番こたえるばい。」
セロリの収穫は手作業で、1つ1つ鎌で苅ります。
瀬高はセロリ以外も、その良質な水源のおかげで農産物が豊富です。
その美味しい農産物で瀬高のお土産を作りたい。そんな想いが5人の主婦を動かしました。
森さん:
「主婦5人で研究会を発足し(商品開発に)3年かかりました。
最初の1年半くらいは何もカタチにならなかったです。
フードディレクターの本田さんを講師に色々試して…。
5人いたから、くじけずに商品を完成させることが出来ました。
パッケージとか褒められますけど、もうそれは中身が完成して本当に最後の最後。」
何度もセロリの商品を試行錯誤していく中、ドイツの「ズッペンゲミューゼ(スープ用野菜)」に出会います。
ドイツでは煮込み料理やスープを作る時に一緒に煮込む数種の乾燥香味野菜を使うのです。
「これを瀬高のセロリで作れたら…」その出会いから「セロリズッペン」の開発が進みだしました。
「タマネギやニンジンも地元で穫れたものを基本的には使用しています。
キノコは、隣の大木町が名産地だから、もちろんそれを使っています。」
収穫前のセロリ。外側の葉を落として形を整えてから出荷されます。
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