こだわりの商品を作る物語 伝統を継ぐ物語

光春窯

高く幅広い陶磁器の技術をもった波佐見焼の窯元。

長崎県東彼杵郡波佐見町。
近年、全国的にも有名になった焼き物の観光地である市街地から離れた山間部。
細い道が山間の斜面にあるいくつもの窯を繋いでいます。

少し高台のとても見晴らしの良い場所にある光春窯。
レンガで出来た窯の煙突は、長崎県の「まちの景観資産」に選ばれている年代物です。
代々受継がれてきた薪の窯、建物がある光春窯ですが

「窯にしたのは30年ほど前です。」

と、光春窯を立ち上げた馬場春穂さんは、教えてくれました。
窯元だけじゃなく「生地屋」「上絵屋」といった仕事から、型を作る人など
量産体制をとってきた波佐見焼ならではの分業も多く存在します。

馬場さん:
「(波佐見では)窯を持ってるところが窯元といわれる。
九谷なんかは窯元の定義が違うけどね。」


敷地内にあるショップ&ギャラリーに飾られている昔の様子。


器の制作現場を見せていただきました。
ずらりと同じ形の器が綺麗に並んでいます。

「分業だから沢山作れる。」

波佐見焼の生産体制をそう表現する馬場さん。
ただそのシンプルな言葉の外には、量産を考えて生みだされたアイデアが沢山ありました。


スタッキングして同じ型を一度に沢山焼きます。

「この焼物の円柱は何ですか?」

馬場さん:
「この中に器を入れて焼きます。
白い器は煤などの汚れも目立つので、それがつかないように。
という理由もありますが、これなら(お椀など高さのある)器を半分の高さで積む事が出来る。
沢山焼けるんです。」


より小さい体積でスタッキング出来るようになっています。


素焼きの器に釉薬(うわぐすり)をつけていきます。
波佐見焼は白磁に代表されるように陶磁器の焼ものです。

若い従業員さんも多い光春窯。
従業員の宮崎さんは関西出身
「みんな、いろんな所から来てますねぇ。」と、教えてくれました。
お昼はみんな揃ってご飯を食べるそうです。(おやつタイムもちゃんとあります)

光春窯は、多数の国内有名ブランドの受託製造を手がけています。
多数のクライアントの様々な要求に応えながら製造していくことで培われた高い技術。
そして、光春窯の器への信頼は、馬場さんが人を育てることにも長けているからではないかと思います。


まだ改装中ですが、近々常設展示で再開する予定のギャラリー(敷地内に併設)には、スタッフのそれぞれの作品も展示。


ショップでも各々の作品を販売しています。

自身も夫婦で作品を作る宮崎さんも
「社長は応援してくれるんです。」と、話してくれました。

馬場さん:
「なかなか自分の作品(器)だけでは食べていけない。
大きな賞でもとらない限りは。
でも、私もですが、みんな賞とかに出すのが苦手だからね(笑)」

スタッフの作品づくりに、古い薪窯も使わせているそうです。(光春窯の器はガス窯で焼いています)
スタッフそれぞれの個性を尊重する馬場さんの姿勢が、光春窯の生みだす器たちの豊かな表情に表れている気がします。

光春窯のオリジナルの器をもう少し知ってもらおうと馬場さんが動きはじめたタイミングに、出店イベントでお会いすることが出来た店主ウサガワ。
器に一目惚れして、取扱いさせていただけないかすぐ打診しました。(そして、自分用に沢山買っていたw)
波佐見から遠く、八女の小さなお店での取扱いを快く請けてくださり、お披露目に多数の器も届けてくださったのも、馬場さんの柔軟さ、フットワークの軽さのおかげのご縁だと思っています!


bibliotic! 2階での展示販売会の様子。


【関連記事】
光春窯 波佐見焼の展示販売会

 



長崎県東彼杵郡波佐見町中尾郷627
TEL 0956-85-4550
OPEN 9:00~17:00 (予約すれば見学もOKです)
Facebookページ

Instagram @koushungama
 

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チクチック

地域・地方の魅力は、そこで暮らし営む「ひと」の魅力だと思います。
その魅力は日本中、世界中にありますが、まずは自分たちが暮らす福岡県ちくご地方に目を向けました。
そして、市町村単位ではなく、自分たちが日常的に気軽に行動できる、例えば車で1~2時間で移動出来るような、もっと感覚的に大きなエリア。
「自分の地元」と言えるようなエリアを自らの足を使って取材する形で発信しています。

地域の読みものとしてのWEBマガジン「チクチック」を担当している
オガワが取材に行ったり、イベントで見たり、お店で聞いたことを記事として書き留めてます。