おいしいお店の物語 町を楽しくする物語

ニコパン

「大木町でパン屋をやる」その想いが色んな人を巻きこんで、みんなが笑顔で集まる素敵なお店が出来ました。

ニコパン

福岡県三潴郡大木町の「ニコパン」は、大木町出身の北島夫妻が営むパン屋さんです。
ひと、場所、お店… 全てが運命的とも思える出会いと、美香さん、勇さんの行動力。
「パンを買うこと」それ以上の買い物の楽しみを思い出させてくれるニコパンです。

「私、パン屋さんするな…」

美香さんは東京で12年間、アパレル会社の企画のお仕事をしていました。
転勤族だった美香さんが大木町にいたのは、生まれた時と中学の2年間だけ。
その中学の同窓会で勇さんに久しぶりに出会ったのです。

美香さん:
「1回目の同窓会の時は、勇くんはパイオニアでエンジニアをしてて。
昔から真面目だったから『あぁ、やっぱりエリートさんですね』って特に興味はわかなかったんだけど、2回目の同窓会で会ったら、仕事辞めてパンの修行してるって。
え?そんなこと出来る人だったの?って俄然、興味が沸いて!」

勇さんが通っていたパンの専門学校では、社会人で週末だけ通う人も多かったそうですが、勇さんは短期間で集中して修行を終える(お店をする)ために会社を辞めたのです。
そんな勇さんがパン屋を始めたい理由が、
「妻と子どもと、家族だけで経営するようなお店をしたい」
世界中で人気のアニメ映画に出てきたグーチョキパン店のようなお店に憧れていました。

美香さん「当時、結婚どころか彼女もいなかったのによ?(笑)」

ニコパン
美香さんは、学生のころから「おソノ」というあだ名だったそうです(笑)

その話に興味が沸いた美香さんは、東京で一緒にパンの食べ歩きをする約束をしました。
そして、ふと「私、パン屋さんするな。」と思ったそうです。

「なんか見えたんよ。同窓会があったのが年末で、年明けには上司を呼び出して『福岡でパン屋するんで辞めます』って伝えて。
まだ、食べ歩きの約束しかしてないのに。(笑)」

ニコパン

転勤族で2年しか大木町にいなかった美香さんですが、不思議と大木町がずっと気になっていました。
大木町のために何かしたい…でも、東京にいてどうやって?
そんな漠然と抱えていた思いも繋がり
「パン屋をするなら大木町で」
と会社を辞め、大木町に戻ることにしました。

美香さんがそこまで決めていた後で、約束していたパンの食べ歩きの為に東京で再会した2人。
何も知らない勇さんは、美香さんから突然「仕事を辞めて、春に大木町に戻ります」と告げられたそう。

勇さん:
「いきなりそう言われたら『え‥?あ、はい、そうですか。じゃ、さようなら。』と、なるしかないですよね(笑)」

ニコパン

東京か、どこかでパン屋をやると思っていた。
大木町でパン屋をすることは考えてもいなかった勇さんに
美香さんは「なんで東京?!東京でやってもしゃーないやん!」と、言いました。

美香さん「大木町、大木町ってずーっと言い続けてました。(笑)」

「強引なんですよ(笑)」そう自分で言う美香さんですが、12年間務めた会社のみんなが盛大な送別会をパン屋で開いてくれた時
「うわ‥私、パン屋にならないかん」
と、改めて自分が言ってきた言葉の重みを感じたそうです。

そして、勇さんも決意をしました。
彼女もいないのに「家族でパン屋」と夢を語った勇さんが、専門学校の仲間の中で一番早くお店を持つことになるのです。

ニコパン

本当に素敵な建物だから、このお店をみんなに見てほしい。

野村建設さんのツカルフで出張パン屋をしていた美香さんに初めてお会いした時
「ぜひ、お店に来て!元銀行だった建物をノムケンさんに改装してもらって、すごく素敵なお店だから。」
そうキラキラした目で教えてくれました。

昭和8年に建てられた元・銀行の建物。
大木町の実家に一足先に帰って来た美香さんは、「この建物しかない!」と一目惚れしました。

美香さん:
「ここしかない!って思ったから、不動産屋さんとか全然行かなかった。
車で前を通る時に『いいなぁ〜、ここ空いてんのかなぁ〜』と遠巻きに見てるだけで何もしなかったけど(笑)
そしたら、この建物、隣の飴屋さんが大家さんで、その大家さんと勇くんの実家が隣組だったんよ!」

勇さん「あまりに近すぎて、建物を意識してなかったから気づかなかった。」

勇さんのお父さんが大家さんに「息子がパン屋するんやけど‥」と相談すると、大家さんも快諾してくれました。
そして、店舗をリノベーション。
美香さんの中にはもうお店のイメージがありました。

美香さん:
「2軒の施工屋さんに来てもらってたけど、どっちもピンとこなかった。
そろそろ、どっちかに決めないとな〜と迷っている時、柳川のムトーちゃん(ムトー商店)のお店に遊びに行ってノムケンさんを知り、ツカルフに遊びに行ったんです。
行った瞬間『絶対、ここやん!』ってなった。
で、(勇くんに)『じゃ、施工屋さん2軒断っといて』って(笑)」

ニコパン
店内でゆっくりドリンクと一緒に食べることもできます。

2011年7月1日。この日にオープンすると決めていた勇さん。
ノムケンさんのスケジュールが埋まっていて「日程調整上、無理」と断られかけましたが、物件の良さを力説し「1度見に来てください!」と美香さんが言うと、次の日にノムケンさんが訪れてくれ、「ボクで良いんですか?」と仕事を引き受けてくれました。
そして、予定していた通りの7月1日。
イメージしていた通りのパン屋がオープンしたのです。

美香さん:
「カウンターから入口を眺めたとき、『デジャブ!』って思ったよ。
私、この光景知ってた!って(笑)」

ニコパン

大木町のニコパンのお店には東京などの遠方からご近所まで、いろんなお客さまが来ます。

美香さん:
「近所の年配の方から、赤ちゃん連れまで色んな人たちが来てくれる。それが本当に嬉しい。」

小さい子ども連れでも気兼ねなくお店で食べて行けるように、ニコパン店内にはベビーベッドも備えてあります。
また、大木町の良さをもっと知ってもらって、大木町にあるニコパンのお店で楽しんでもらうために、出張パン屋さんとして各地のイベントに出ている北島夫妻。
2人揃って出かける時もありましたが、お店まで来てくれるお客さまに申し訳ないので、最近は役割分担しています。

「遠くからニコパンまで来てもらったら、ついでに大木町、周辺の素敵な所にもゼヒいろいろ寄ってもらいたい。
大木町にも面白い人たちが沢山いるから、その人たちをもっと知ってもらいたいよね。」

と、美香さんは色んな業種の人たちと一緒に何かをやる計画を廻らせています。
勇さんの仕事ぶりを信頼して、自由に動く美香さん。
美香さんの営業力、企画力を信頼して、パンを焼くことに専念できる勇さん。
大木町にある1軒の家族経営のパン屋さんは店舗が拡大することはありませんが、その影響力はどんどん広がっています。

「やりたいと思っている事は口にした方がイイよ。
そしたら、誰かがフとした時に『あぁ、こんなことしたいって言ってたな』って、思い出して助けてくれる。」

美香さんは、ニコニコしながらそうアドバイスしてくれました。


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ニコパン
〒830-0405
福岡県三潴郡大木町横溝82-1
TEL 0944-78-1292

OPEN 10:00~18:00
月曜日休み(他、不定)

公式blog

駐車場、カフェスペースあります。

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チクチック

地域・地方の魅力は、そこで暮らし営む「ひと」の魅力だと思います。
その魅力は日本中、世界中にありますが、まずは自分たちが暮らす福岡県ちくご地方に目を向けました。
そして、市町村単位ではなく、自分たちが日常的に気軽に行動できる、例えば車で1~2時間で移動出来るような、もっと感覚的に大きなエリア。
「自分の地元」と言えるようなエリアを自らの足を使って取材する形で発信しています。

地域の読みものとしてのWEBマガジン「チクチック」を担当している
オガワが取材に行ったり、イベントで見たり、お店で聞いたことを記事として書き留めてます。