おいしいお店の物語

ぱんのもっか その2

会話を楽しむ接客を教えてくれた1人のパートさんと
モナパン時代から毎月書かれる手書きのお便り。

お店も人通りも少ない当時の吉井町で、オープンさせたモナパン
現在のぱんのもっかさんからは想像できない売れない時代もありました。
まぁぼやさんのように(※その1参照)何かきっかけがあったのでしょうか?

亮次さん:
「うちは…パートさんかな?
今は引退されてるんですけど、初期にいた50歳まわった人で、特にお手本になる人がいたんです。
接客が良かったんですよねぇ。
僕は大きなパン屋で決められた接客しかしてこなかったんですけど、その方は天気の話とか、スーツ姿の人には『いってらっしゃーい』って言ってたんです。」

麻衣さん:「それも自然体で。」

「それを見てて学んで。
知った顔のお客さんが増えて『こんにちはー』って挨拶から始まって、一言、二言話して、で、僕もレジに出ることがあるんで、そこで会話を楽しむようにしてって。」

パンだけじゃなく、お店の人との会話を楽しんでもらえるようになり、地元の常連のお客さまが増えていったそうです。

pannomocca09ぱんのもっか

「もちろんお客さんはパンを買いに来るのだけど、『この人から買いたい』と思ってもらえるようなお店の人を売りにしてるかもしれない。
あと、通信をモナパンの時代から毎月出してて、結構それのファンの人がいるんです。
私の母が書いているんですけど、パンのことよりも(私たちは)移住者だから、自分たち家族のことを知ってもらおうと思って、日常で感じたことを書いてあるんです。
毎月そのために家族で話し合う時間をつくって、それを母がまとめて。
あれ、1号から読み直すと涙が出る。」

「震災とかもあったし、いろんなことがあったよね。
家族の中でも色々あったし。
それをまた上手い具合に書くんですよね。」

「だから、けっこう家族のことはお客さん知ってます。(笑)
娘のことも、顔は知らないけど『あ、花梨ちゃん』って名前はみんな知ってる(笑)」

ぱんのもっか

2010年4月から毎月出されるこの通信は、現在「ぱんのもっかだより」という名前になり続いています。
手書きをコピーした素朴な通信に登場する「ぼく」は亮次さんであり、麻衣さんであり、お母さんであり、お店でもあります。
お店に行かないと手に入らない「ぱんのもっかだより」

取材が終わって帰る時、亮次さんと麻衣さんがmonamona通信(モナパン時代の通信)の1号から全部まとめてあるファイルを「読んだら全部わかります!」って渡してくれました。
当時の情景が思い浮かぶような吉岡一家の悲喜こもごもの4年間。
この便りをもらうのが楽しみでお店に通うお客さんも多いのが、とてもわかる貴重な物語が綴られていました。

pannomocca16

麻衣さんは言語聴覚士の資格を持っていて、コミュニケーションを扱うリハビリの病院や施設に勤めていました。

麻衣さん:
「子どもが好きで、発達障害の子どものトレーニングとか発達支援をずっとやってきたので、ゆくゆくは、それをしたいんです。」

お互いやりたいことがあって、でも(亮次さんは)強引に自分の仕事を手伝えというタイプではなく、全然違う道を歩んでいると感じていた時もあったそうです。

「別れた方がイイのかなぁって考えたくらい(笑)
そんな時、パン屋と私の仕事場を作ればイイって考えが降りてきて。」

実は、麻衣さんが大学院に進学したのも発達障害の子のトレーニングにより知識を要するからだったんです。
それから、亮次さんには、独立して自分のお店を作ること。
そして、その隣には麻衣さんの仕事場を併設するという夢が出来ました。

「パン屋をするのに(麻衣さんには)支えてもらってきたから、彼女のしたいことをやってほしいんです。」

ぱんのもっか
左がパン屋スペース、テラス席を挟んで右が麻衣さんの仕事場スペースになる予定。




ぱんのもっか
福岡県うきは市吉井町1127-5(MAPあり)
TEL 0943-75-3303
Facebookページ

OPEN 09:00~18:00
(パンがなくなり次第終了)
月曜・第2火曜日 定休
※駐車場あり

 


インスタグラムではオフショットも紹介してます!
instagram_cic

About the author

チクチック

地域・地方の魅力は、そこで暮らし営む「ひと」の魅力だと思います。
その魅力は日本中、世界中にありますが、まずは自分たちが暮らす福岡県ちくご地方に目を向けました。
そして、市町村単位ではなく、自分たちが日常的に気軽に行動できる、例えば車で1~2時間で移動出来るような、もっと感覚的に大きなエリア。
「自分の地元」と言えるようなエリアを自らの足を使って取材する形で発信しています。

地域の読みものとしてのWEBマガジン「チクチック」を担当している
オガワが取材に行ったり、イベントで見たり、お店で聞いたことを記事として書き留めてます。