こだわりの商品を作る物語

株式会社たかやま

修理しながら、永く使ってもらえる家具を造る広川町の家具屋さん。

家具の町として全国的に有名な福岡県大川市から少し離れた八女郡広川町。
戦後、おじいちゃんが始めた木工玩具の工場は、親子3代に受継がれていく中でセミオーダーの家具屋さんへと進化していきました。

たかやま

昭和21年。
株式会社たかやまの3代目となる高山公宏さんのおじいちゃんが、戦争から戻って来て八女で始めた仕事が木製玩具作りでした。

奥さま 香織さん:
「家のそばのお祭りに出したらバカ売れしたって言ってました。」

それからベビーベッドを主に生産する木工場へ発展。
ベビーブームが終息すると、時代の流れに乗るようにテーブルや椅子などのダイニングセットを造るようになりました。

公宏さん:
「ちっちゃい頃、(おじいちゃんが)働いてる姿しか見たことなかった。
正月から工場で働いていた。
昔は造れば売れたイイ時代だと言うけど、今『じいちゃんと同じだけ働け』って言われたら無理です(笑)」

たかやま

公宏さんが広川町に戻ってきて会社に入った時、会社は低迷していたそうです。
東京で販売の仕事をしていた公宏さんは、その経験を生かし会社に貢献出来れば…と考えていました。

「(帰ってきた時は)こう変えてったら売れるようになるんじゃないか?というのはありました。そんな簡単なことじゃないっていうね(笑)」

おじいちゃんが時代に合わせて、木工玩具からベビーベッド、ダイニングセットと技術を磨き生産してきたように、お父さんと職人さんたち、公宏さんも時代に対応するように技術を磨き、試行錯誤しながら新しいコトを打ちだそうとしています。

「自社で一貫して製造出来る商品を現在開発中です。
どうしても他所で頼むと職人さんが減っている現実もあり、自分たちの都合じゃないところで生産がストップしてしまうことがあります。
そういうのをなくして安定した生産力をつけるための製品を生みだそうとしています。」

たかやまさんが造る家具は軽くはありません。
最近では、表面だけ天然の木材を使用し、中を軽い素材で仕上げる家具も便利なので流行っています。
それらに比べ、1本の木を削って製造する家具はどうしても重たくなってしまうと公宏さんは言います。

「重たくはなりますけど、張り合わせしてない一枚板で出来る木工家具には、手直しが出来る利点があります。
天板を削ったり、表面を研磨してコーティングしたらほぼ新品になるので永く使えます。
家具のリペアを希望されるお客様は実際、増えてきたように思います。
この前は、『大家族で使っていた大きい円卓を、家族が自立していったので半分に切って2人用にしてくれ』というご依頼がありました。
製造者としては、『新しいのを買って欲しい』という気持ちもありますけどね(笑)
でも、永く大事にされてるのがわかって、そういう注文を頼まれるのは嬉しいですよね。」

ただ今のところ、修理専門に出来る人がいないそうです。
お客さまから頼まれて、自社の製品もしくは出来ることは引き受けているというのが現状です。

「『修理』と『造る』ってのは違うので‥自分ところの製品は出来るんですけど、『何でも修理します!』とはまだ言えません。
いずれは、修理専門の人を入れるのは考えています。
誰かイイ人いません?(笑)」

たかやま

先代の遺産の上に自分たちは何を積み上げれるか?

公宏さん:
「親父に『継げ』と言われたことはないんです。
 父自身が祖父に連れ戻されて継いだからかな?
 俺には、そういう風な態度を見せたことがないですね。」

そういうわけで木工家具屋さんになる気はまったくなかった公宏さんは、大阪で大学生活を送ったのち、映画関係の仕事がしたくて東京に出ます。

「就職しましたが、結局辞めてフリーターだったんです。
当時、出来たばかりのシネコンでアルバイトをしてて‥
もうそのまま社員になっちゃおうかな?って思ってたくらい(笑)
そしたら、弟が難しい試験をクリアして大学院に通い出して、妹も20歳で就職決めたって聞いて。
俺、長男なんですけど…フラフラしてたから、『一番上の威厳がっ!』って(笑)
ちゃんとしようと思いました。
それから2~3年販売の仕事に就いて、販売という視点から商売を学んで帰ってきたんです。」

たかやま

「今、仕事をさせていただいてるのは先代の遺産なので。
その上に自分たちのモノが乗っけることができて、続けていけたらとは思っています。」

たかやま

奥さまの香織さんは公宏さんと結婚されるまで、建物の外壁などを設計するお仕事をされていました。
今は、会社の事務を主にされています。
結婚して仕事を変えることに迷いはなかったのかを尋ねると、

公宏さん:
「(彼女は)手に職があったので、僕が『もったいないな~』と迷いましたよ。」

香織さん:
「仕事の場合は、どんな職種でも楽しみややりがいを見いだすことは出来ると思うんです。
でも、人は出会えませんから。他は探せない(笑)
(手伝いはじめた)当初は、事務の仕事自体が大変ですし、家具はそんなに詳しくなかったから全然わからなくて‥
『勉強したい!』って思うんですけど、事務の仕事が大変でそれもなかなか出来ず‥
悔しい時期はありました。
でも、今は設計図を書かせてもらえるようになって。
図面書くとモノの構造もわかるし、楽しいです(笑)」

「彼女が設計図を書いてくれるので作業が早くなりました。
 ぼくは全然書けないから、とりあえず試作を造るんです。
 それから、3度くらい削るか…とか何回も作業を詰めていく。
 それがショートカットされますからね。」

たかやま

「暦が浅いので、まだまだ思い通りにいかないことは多いです。
 頭にあるものがうまくカタチにならないことが。
 でも、その時はこう思うんです。
 『オレにはまだまだ伸びしろがある!』って(笑)」


株式会社たかやまの物語 その2


たかやま の品を全国へお届けいたします

About the author

チクチック

地域・地方の魅力は、そこで暮らし営む「ひと」の魅力だと思います。
その魅力は日本中、世界中にありますが、まずは自分たちが暮らす福岡県ちくご地方に目を向けました。
そして、市町村単位ではなく、自分たちが日常的に気軽に行動できる、例えば車で1~2時間で移動出来るような、もっと感覚的に大きなエリア。
「自分の地元」と言えるようなエリアを自らの足を使って取材する形で発信しています。

地域の読みものとしてのWEBマガジン「チクチック」を担当している
オガワが取材に行ったり、イベントで見たり、お店で聞いたことを記事として書き留めてます。